トレーニングにおける健康な骨づくりと栄養バランス!『前編』

焼いたラム肉と骨 

こんにちは。

昨今パーソナルトレーニングスタジオの活躍とともにトレーニング現場における動作面はもちろんの事 栄養面からの取り組みが注目されるようになりトレーニーが日々の食事・栄養を考えることは より高いパフォーマンスを追究する上で欠かすことのできない要素のひとつになりました。

そこで今日は運動器の主な構成要素である「骨」に焦点を当てトレーニング現場でできる栄養サポートを考えていきたいと思います。

骨とスポーツ障害【疲労骨折】

骨は筋肉と合わせ、ヒトの生体における組織重量の約 70%を占める重要な臓器である。

タイトルにある【疲労骨折】とは、

1回の外力では骨折しない程度の軽微な力学的負荷が繰り返し加わることによって骨組織の破綻を生じる骨折の事。

骨にはリモデリング能力による自己修復能力が備わっているが、繰り返し加わる負荷により骨の微細損傷が生じ、これが骨リモデリングを上回れば微細損傷は蓄積し疲労骨折を招きます。

疲労骨折のリスクファクター
骨への微細損傷に影響する力学的因子と骨量(骨密度)や骨質に影響する因子が関連します。

力学的因子には運動力学的因子(アライメント、筋力・筋持久力・筋柔軟性、歩行・走行・ジャンプ着地時など)

環境因子(床反力の大きさ・頻度、トレーニング量やトレーニング時間・強度、筋力・筋持力・ 筋柔軟性、グラウンドの表面の状態、靴やインソールなど)

骨量や骨質に影響する因子には遺伝的要因、食事や栄養状態(食習慣、エネルギー、カルシウム・ビタミンD摂取を含む)内分泌やホルモン、スポーツ歴、骨関連疾患、骨へ影響する薬物摂取(ステロイド、抗けいれん薬)

などがあり疲労骨折の発症にはこれらの要因が複合的に関与することから予防的アプローチが決して容易ではないことがわかります。

骨代謝と栄養との関連

ヒトの骨強度は70%が骨密度 30%が骨質(構造・材質)に依存してます。

このうち骨密度は荷重や筋力などの負荷(ハイインパクトの力学的負荷)に対する骨リモデリング作用により増加へと導く。ハイインパクトの運動による力学的負荷の増加は骨形成を促進し骨吸収を抑制することから骨量や骨密度の増加に有用とされハイインパクトスポーツに従事するアスリートでは骨密度は高いことが明らかとなっています。

一方、水泳などの非荷重運動の競技や長距離ランナーなどの持久系競技では骨密度は低い傾向にあり骨障害の発症頻度が高いことが報告されています。

このように荷重や筋力などの力学的負荷は局所で骨代謝を調節し骨量に影響を与えることから骨の健康を考える上でスポーツ競技特性が重要な鍵を握ることはおさえておきたい。

つまり運動で消費するエネルギー量に見合ったエネルギー摂取を確保することは骨の健康にも不可欠であるということを理解しなければなりません。

骨密度と栄養【カルシウム、ビタミンD、ビタミンK】

骨密度に関連する栄養素といえば、カルシウム、ビタミンDおよびビタミンKである。カルシウムは骨の主要構成要素として骨強度と構造に関連することから骨の健康を考える上で最も重要であることは言うまでもない。

成人の体内には約700~ 1,000 gのカルシウムが存在するがその 99%は骨に存在する

骨は骨吸収と骨形成を繰り返し動的平衡を維持しているがカルシウムの供給源となる乳・乳製品他、小魚、大豆製品、青菜など食事からの供給が少ない場合は副甲状腺ホルモンの働きによって骨吸収が亢進し骨からカルシウムが供給される。

ビタミンDにおいては膨大なデータがあるので次回記事にいたします》

ビタミンKは血液凝固の他、骨の弾性や強度に関連するオステオカルシンのグラ化を介し、カルシウムの沈着を促すことから骨代謝との関連が深い。またカルシウムやビタミンDの
作用を促進する働きもあることからビタミンKの不足は骨折リスクを増大させる。

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン

ビタミンKの推奨量を 250 ~ 300μg/日としている。
ビタミンKの供給源として有名なのは納豆と緑葉野菜(モロヘイヤ、小松菜、ニラ、豆苗、シソ、パセリなど)であるが納豆に含まれているメナキノンは、緑葉野菜のフィロキノンと比べ血中半減期が長く血中レベルを安定させより完全なオステオカルシンのグラ化を達成できることが報告されています。

骨質と栄養【ビタミンB群、ビタミンC】

骨質を劣化させる可能性があるホモシステインは、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の欠乏および不足によって増加します。血清ホモシステインの高値は酸化ストレスを高めコラーゲンの分子間を繋ぐ架橋の異常(悪玉架橋の生成)を促進することから骨密度とは独立した骨折の危険因子となることが報告されています。

ビタミンB6はアミノ酸の代謝に関与し、たんぱく質の体内での利用に不可欠な栄養素である。アスリートにおいてはトレーニング期などタンパク質摂取量を増加する時期では合わせてビタミンB6摂取量を増やしたい。

ビタミンCは細胞のコラーゲン合成に関与し、筋肉、靭帯、腱だけでなく骨質を規定するコラーゲンの生成に不可欠な栄養素であります。

おわりに

これまでの内容を整理すると骨づくりは家づくりに例えるとイメージしやすい。

骨づくりに支障をきたさないための十分なエネルギー量は「職人」そして質の良いコラーゲン架橋生成に必要なビタミンB群とビタミンCは「新品の鉄筋コンクリート」さらに骨の硬さを作るカルシウム、ビタミンD、ビタミンKは「セメント」と各栄養素の連携により構築されているのがわかります(つまり強い骨づくりにはカルシウム! だけではないという事です)

これらのうち何 1 つでも欠陥があれば家づくりは完成しなく、それは骨も同様であるという事。生涯を通して骨の健康を守るための重要な柱となるわけです。

今回は健康な骨作りと栄養バランスと題してお伝えしました。次回この続きビタミンDに関する記事をピックアップしたいと思います。

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