こんにちは。
今回は前回の続きで『トレーニングにおける健康な骨づくりの栄養素バランス!』の後編
こちらが前編↓
この記事で割愛したビタミンDをピックアップします。
ビタミンD
骨・ミネラル代謝に関連し、腸管からのカルシウム・リンの吸収促進を行ない骨の成長と石灰化に対し重要な役割を担っています。
現在ビタミンD不足および欠乏は世界的に大きな問題となっています。
ビタミンD不足
は副甲状腺ホルモンの分泌を亢進させ骨吸収亢進をきたし骨量を減少させます。
骨量が減少すると骨の単位面積当たりのマイクロダメージが増加し骨強度は低下します。
リモデリングスペースも増加するため骨構造の劣化も加わり骨強度は低下することから骨粗鬆症や骨折のリスクが高くなり、また近年ビタミンDは免疫機能、骨格筋機能などへの関与など多岐にわたることが明らかとなっています。
ビタミンDの栄養
魚類やきのこ類などの食品からの摂取以外に紫外線によって皮膚でビタミンDが生成されるという特徴があり、良くも悪くも食事からの摂取がそのまま体内のビタミンD栄養状態に反映されるわけではありません。
ビタミンDの栄養状態については食事からのビタミンD摂取量と皮膚でのビタミンD産生量を反映する血清 25 ヒドロキシビタミンD(以下、25(OH)D)濃度を用います。
単に食事からのビタミンD摂取量だけで評価することができない栄養素だからこそ体内のビタミンD栄養状態の把握にぜひ活用したい指標であります。
日本骨代謝学会、日本内分泌学による「ビタミンD不足・欠乏の判定指針」では、
血清25(OH)D濃度が 30 ng/ml以上をビタミンD充足、30 ng/ml未満をビタミンD非充足とし、このうち 20 ng/ml以上30 ng/ml未満をビタミンD不足、20 ng/ml未満をビタミンD欠乏としている。
血清 25(OH)D濃度の低値は骨吸収を亢進させる副甲状腺ホルモンの上昇、骨密度の低下や骨折リスクの増加、シンスプリントや疲労骨折など骨障害発症との関連があるため定期的なモニタリングを行なうのが望ましい。
このように血清 25(OH)D濃度は日常的に紫外線照射量が少ない屋内競技や紫外線照射量が少ない環境下で活動する人や冬季そして体脂肪量と負の相関を示すことが報告されていることから体格が大きく体脂肪量が多い選手についてはビタミンD不足のリスクが高くなるめより多くのビタミンD摂取量を必要とします。
ビタミンDはどのくらい摂取すべきなのだろうか?
日本人の食事摂取基準では骨折リスクを考慮せず紫外線照射によって皮膚で産生されると考えられるビタミンDを差し引いた量を目安量としています
( 18 ~ 29 歳、男8.5μg/日、女性8.5μg/日)。
しかしビタミンDの特質を考えると個人の様々な要因が影響するビタミンD栄養状態に対しビタミンDの必要量は当然ながら一様ではない為 日本人の食事摂取基準との差がきわめて大きいことから骨折リスクの抑制に基づき検討された骨粗鬆症の予防と治療のガイドラインの推奨量 10 ~ 20μg/日を目標にすることから始めるとよいとされています。
さらにビタミンDはカルシウムとの併用により疲労骨折発症に対する予防効果が期待できることから日常的にカルシウムとビタミンDをより効率良くかつ習慣化できるもので考えいくのが理想です。
具体的には主菜(メイン料理)には肉類と比べてビタミンDとカルシウムともに効率良く摂取できる魚類の頻度を増やしたいところです。
ビタミンDを多く含む魚類には「さけ」「かじき」「うなぎ」で1 切
20 ~ 30μgを摂取することできます。
ビタミンDが強化された牛乳やヨーグルトもお薦めします。
とはいえビタミンD不足や欠乏がある場合のビタミンD必要量は食事のみで補給するのは容易ではないのでビタミンD栄養状態の獲得に向けてはビタミンDが補給できる栄養補助食品(サプリメント)を含む対策を考えるのが現実的かもしれません。
おわりに
コロナ禍は我々のビタミンD栄養状態にも影響を与えています。
外出自粛に伴い屋内での時間が増えたことで紫外線照射によるビタミンDの供給は例年より少なくなっています。ビタミンDの貴重な供給源である紫外線照射量が限られていたことで、その補填として食事からのビタミンD補給そして魚食の重要性を今一度再確認したい。
今回紹介したビタミンDは骨代謝の他に免疫機能の向上や感染症予防との関連が報告されている栄養素です。今予測できない事態に対しトレーニング現場で求められる感染症予防対策の一助にビタミンDを上手に活用していただきたいです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。