こんにちは。
少し前にも触れましたが最近男性メンバー様増加に伴い筋量増加(バルクアップ)目的でご来店されるお客様が多くなりました。そこで今日は
筋肉量の増加に向けた効果的なたんぱく質摂取について少し細かくお話したと思います。
1.はじめに
限られた時間のなかで効率的なトレーニングを通じた筋量増加が求められる場合トレーニングメニューの精査のみならずトレーニング効果を最大限に高める食事摂取も重要となります。
一般成人において筋量は異化作用(空腹時、疾患、ストレスなど)と同化作用(栄養摂取、筋収縮など)の微細なバランスによって一定に保たれています。筋たんぱく質合成と分解の差(出納バランス)がプラスの状態、つまり筋たんぱく質の合成速度が分解速度を上回った場合のみ筋量の増加が可能となり、逆にたんぱく質分解速度が合成速度を上回る時間帯が長くなると異化作用が亢進し筋量が減少します。
空腹時において筋たんぱく質の出納バランスはマイナスであり通常食事摂取によってのみ出納バランスがプラスに移行します。
その結果、空腹時に失われた筋たんぱく質が食事で補われることで24 時間の出納バランスがプラスマイナスゼロとなり筋量が維持されるわけです。
また近年の研究では1 日の総摂取量が充足していても3 食それぞれの食事において十分なたんぱく質が摂取できていない場合筋量の低下やトレーニングによる筋肥大の抑制に繋がる可能性が報告されています。
2. 食事摂取に伴う骨格筋内でのたんぱく質代謝の調節
食事摂取に伴う骨格筋内でのたんぱく質代謝の調節食事を摂取すると摂取後 1 ~ 2 時間で筋たんぱく質の合成速度は安静時と比較して約 2 倍に増加します。
この食事によるたんぱく同化作用は主にたんぱく質摂取に伴うものであり食事に含まれる たんぱく質は、消化・吸収後にアミノ酸(あるいはペプチド)として血中に取り込まれ骨格筋に運び込まれます。
このアミノ酸による筋たんぱく質の同化作用は主に必須アミノ酸によるものであり、そのなかでも分岐鎖アミノ酸のロイシンが筋細胞内の分子複合体であるmTORC 1(mammalian target of rapamycin complex 1)シグナル経路を活性化させ、たんぱく質摂取時における筋たんぱく質の合成速度を制御することが報告されています。
つまり栄養摂取によって血液中のロイシン濃度を増加させることができれば濃度依存的に筋たんぱく質の合成速度を増加させることが可能となる訳です。
3. トレーニングに伴う筋たんぱく質の代謝応答
トレーニングは骨格筋のたんぱく質合成を刺激する重要な因子であり日常生活において唯一顕著な筋肥大を引き起こすことが可能な運動介入です。
トレーニングを行なうと前述したmTORC 1が活性化され運動後 1 ~ 2 時間後には筋たんぱく質の合成速度が安静時と比較して有意に増加します。この 1 回のトレーニングによる合成速度の増加は運動後の約 24 ~ 48 時間は維持されることが示されています。
トレーニングによるたんぱく質合成速度は、低~中強度(最大に挙上できる重量の 60%以下を運動の強度とした場合)においては運動強度に依存して増加し最大挙上重量の 60 ~ 90%の域においてほぼ一定となることから一般的に低強度よりも高強度のレジスタンス運動がより効果的であると認識されています。
4. たんぱく質摂取のタイミング
トレーニングする際におけるたんぱく質摂取のタイミングに関してはトレーニング直後が最も相乗効果が高く運動実施から時間が経過すると同化作用は低下することが報告されています。
これはトレーニングに伴うたんぱく質の合成速度が運動直後に最も高いことに起因しているが運動 24 時間後においてもたんぱく質摂取による相乗効果は維持されています。
以上のことからトレーニングによる筋たんぱく質の同化作用を最大限に引き出すためには運動のセッションとたんぱく質摂取をセットとして考えることを基本として運動後速やかに高品質のたんぱく質を摂取することを意識する必要があります。
5.異なるたんぱく質源とたんぱく同化作用
たんぱく質の種類によって運動後の同化応答は異なります。
乳たんぱく質は大豆たんぱく質と比較して運動後の筋たんぱく質合成速度が有意に高くなります。これは同量のたんぱく質に含まれているロイシンの含有量が異なる為です。
あるいはたんぱく質の種類によってその消化吸収速度や吸収率に差異が生じることが原因と考えられる。乳たんぱく質は大豆たんぱく質と比較してロイシン含有量が高い為、効率的に運動後のたんぱく質の合成速度を増加させるためには、摂取するたんぱく質の“質”を意識することが重要です。
同じ乳由来のホエイとカゼインを比較するとホエイはその酸性の特性から胃からの排出速度が早いため速やかに吸収されます。これに対してカゼインは胃酸により凝固・沈殿するため、胃からの排出が緩やかとなります。
その結果、血中ロイシン酸濃度の最大値もホエイと比較してカゼインが低くなり同量のホエイとカゼイン摂取を比較・検討した研究においてホエイ摂取後の安静時および運動後の筋たんぱく質の合成速度がカゼインと比較して有意に高くなることが示されています。
6.おわりに
効率的な筋肥大を実現するためには個々の体力に合わせた運動プログラムの策定は最も重要です。また同時に骨格筋のたんぱく質の代謝を考慮するとトレーニング期間中におけるバランスのとれた栄養摂取、特にたんぱく質の摂取はトレーニング効果を最大限に引き出すためには必須です。
・1日総摂取量ではなく各食に十分なたんぱく質量。
・トレーニング直後が最も相乗効果が高い。
・乳たんぱくのホエイが合成速度が有意に高くなる。
トレーニング+効果的なたんぱく質を摂取して筋肉量増加(バルクアップ)を目指してほしいと思います。ダイエットはもちろんバルクアップサポートも行っておりますのでご興味ある方は1度体験までお越しください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。